検察側の罪人 感想なぐりがき

無事に初日朝イチの回に観ることができました、「検察側の罪人」。

ひとりで映画見ると誰とも共有できなくてなにも吐きだせないのでここに消化させるべく吐きだしてみます。べつに感想を語りあわなくとも、一緒に観た人がいれば共有できるのにね。GANTZ PA観たときに友人と二人泣き疲れてぐったりしたまま「じゃあな…」ってその日は別れたんだけど、ああいうのでいい。ああいうのがいい。誰かと観たいもんだね。

 

話がそれましたがいつものように(見てる人がいるかは謎)ネタバレありおたくフィルターありの感想書きなぐりタイムはじまるよ!

 

 

いやー前評判どおり!

「凄い…」っていう感想しか出てこない(ボキャ貧)

でもな、「すげえ~」でも「スゴイ!」でもないのよ。あくまでも「凄い…」なのよ。わかる???

あと、いい意味でいっぱい裏切ってくれて、観終わったあと心の中で100回はガッツポーズしたし、100回は胴上げしたし(だから誰をや)、原田監督ありがとうッッッッッッッ!!!!!!ブラボーーーーーーッッッッッッ!!!!!ってスタンディングオベーションだった。この作品を世に送り出してくださって、木村拓哉二宮和也をメインキャスティングしてくださってありがとうございます。監督どちらの方角にお住まいかしら。足を向けて眠れませんわ。

 

まったくもってスッキリしなかったし、誰も幸せになれてない(と思う)し、誰もが「個」を貫いて生きているが故の結末だし、いつもは誰かに感情移入するんだけど、今回ばかりは誰の目線で見ていいかわからない。私個人としては嘘をつけない人間なのでまごうことなき沖野寄りの考え方なんだけど、最上の言い分もとてもわかるし、由季のことだけじゃなくて丹野のことまで絡んできて、それはさらに最上が自分の正義を貫かざるを得ない、彼のストーリーに拍車をかけていたんだと思う。

 

映画誌では二宮くんのインタビューを中心に読んできたけどやっぱり今回も私の心のストライクゾーンど真ん中な答えを引き出してくれてたのはBARFOUT!だった。

”僕は人が殺されたり殺したり死んだりすることを作品の中で何度も経験をしているから、「殺す」とか「人が死ぬ」ことに関して、普通の生活をしている人よりは近いところで生活していると思う”

”人殺しは行為としては拒否感しかない”

いままでのいろんな彼の経験が、あの激昂する取調べシーンを作りだしてるんだ!って思うととってもぞくぞくするし、これまで二宮くんのお芝居を観てきた側の人間としては、とっても感慨深くなりませんか???

てか、どこからがアドリブでどこまでが台本で、早口で、松倉も「やってない」を繰り返すし、ただただギャンギャンうるさいシーンだなかろうじて聞き取れるけど、みたいな感想も抱いたんだけどそれも二宮くんの思うツボだったようで(パンフレットに書いてあった)……ありがとうございまぁす!!!!!!!!!

それにしてもよくあんなにすらすらと言えるなあ…と思ったけど、その前の諏訪部とのやり取りで噛んだところあったね。それも対比なんだろうね。

朝うっかりZIPを見てしまって、出血大サービスで長めに取調べシーンを流してくれちゃって、知らずに行きたかったぜ…と思ったけど観終わった今となっては「おおおおおおおおおおおおお!!!!いつでもおうちであのシーンがリピートできるぜ!!!!!!ありがとうなZIP!!!!!!!!!!!!!」っていう気持ちです。(笑)

あんだけまくしたてておいて、最後には「松倉に謝る、土下座するかもしれない」っていう沖野くんは、たった一つの真実だけが、何があっても揺るがないものと信じて、自分の正義を貫いたんだね。

 

あと、モデルプレスの記事で、それまでどの媒体でもなぜ「平成の最後に」と二宮くんが言っていたかの詳細はなかったけれど、そこも明かしてもらってて、ほんとに二宮くんはたとえ話がうまいなあ。たとえBAR(このあいだNHKでやっていた単発番組)に出て欲しかった。

<二宮和也インタビュー>木村拓哉との共演を熱望したきっかけ明かす「自分にとって特別な贈り物」 - モデルプレス

 

 そしてどうしても触れさせて。ラブシーンのこと。

お手紙騒動があったからてっきりそれらしきシーンはないのかな、と思っていたのに。いたのに。遥かに想像を超えて行った。

 

なに、あの、遺体発見現場みたいな事後

 

もしくは蝋人形?

 

想像を超えすぎた。最高。もっとやれ。

「二宮くんにも恋愛ものを!!」って思ったことはそんなにないので、ラブシーンがなくても生きていけるし甘ーいラブシーンなんてあった日にはきっとアナフィラキシーショックで死ぬと思う。けど、ああいう生生しい、ひょっとしたらグロテスクとすら思えるようなシーンは好き。やっぱ、そういうのが似合う。(笑) 今回も、たった一瞬だったけど、それ以降の二人の関係性がガラッと変わった(ように私は感じた)のが見て取れる、大事なシーン。立ち飲み屋のシーンでお互いが同じ方向を向いているとわかり合った二人が最後まで一緒で良かった。松倉が逃げたのを追う沖野を引き止める沙穂、に表情だけで「心配しないで」と言うような二宮くんの目の演技はさすが。好き。

キネマ旬報の吉高さんのインタビューでも「色気のない二人」って書いてた通り、二宮くんのラブシーンは”見えない”くらいがちょうどいいと思ってる。大丈夫、妄想で補うし?(違うそういうことじゃない)

 

 

だらだらと書いたけど、まあ、一回じゃとてもじゃないけど消費しきれないから、もう一回観たいのだけれど……映画館が遠いんじゃ!!!!田舎にも映画館を!!

 

あと、最上の娘が「モガさま」って呼んでたの可愛かったし、それを受けて自ら「モガは~」って一人称にしちゃうモガさまも可愛かった。

あんだけ重たいテーマ・ストーリーなのにクスっとなる要素も盛り込める監督は間違いなく天才(恥ずかしながら原田作品を観るのは初めてです)……ヤッシーもパロディサイト(?)通りの「弁護側の善人」で、いっきに脱力したし。あとラブホでそわそわする「なんだよこれぇ…」な沖野くんも可愛かった。その直前のファミレスのおばさんも好き。(笑)

 

あとあと!劇中BGMがおしゃれ。それが逆に不気味に感じる。

 

個人的には松重さんに助演男優賞をあげたい。ご本人もインタビュでおっしゃってたとおり、敵か味方か、いい人か悪い人かもよくわからなくなってくし、わかってるのは諏訪部の父親がインパール作戦から生還したってことくらい?「闇のブローカー」だから社会的に見たら悪い人なんだろうけど、なぜか初めから最後まで一貫して安心して観ていられるのはこの人だけだった。

 

最終的に松倉は事故死ってことになったんかな?冒頭の、沙穂ちゃんの登場シーンで、高齢者の免許返納についての署名運動のシーンがあったけど、伏線だったね。ほんで、事故シーンの芦名星さんの一瞬の登場でも気持ち悪さ・不気味さがあって好き。

 

 っていうか、全体を一言でたとえると(いきなりまとめに入ります)、「気持ち悪さがくせになる映画」だと思います。ホラーとは別の、「怖いもの見たさ」が勝ってまた観たくなる映画。登場人物、みーんな怖い(笑)。回収できなかった要素を回収すべく何回も観るのは置いといて、怖いもの見たさで何回も見たくなる作品。近くに映画館があったらなあ………早くブルーレイ出ないかなあ……

決して「ジャニーズ映画」ではないから、ひとりでも多くの人に見てほしい!ですね!

 

ここまで読んでくれた人がいたら、ありがとうございました。